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「ピンクの麦わらってさ、趣味悪くない?」
「どうして? 可愛いじゃない。それに、ミキさんはこんなの着けてなかったでしょ?」
リリがその場でくるりと回ってみせた。白い肌とシルバーの毛先が、朝日に照らされてよく輝いている。パステルピンクの麦わら帽子を淡いピンクのワンピースに合わせると、まるでmoemoe emoTIONのジャケットアートみたいだ。
ペットボトルを一口。深呼吸をして、海岸に続く遊歩道を歩き始める。案内板には遊歩道と書かれているものの、人がやっとすれ違える幅のぼろぼろの舗装に、左右は伸び放題の背の高い雑草が作る大きな壁で圧迫されているので、気分はまるで秘密の抜け道だ。
「サナ、今日はとっても天気がいいわ。楽しくなりそうね」
リリに倣って振り返ると、道の向こうにぐっと深い青空と輝くような白い雲が見える。このまま、どこまでも行けたらいいのに。
セックスメーターより